2009年8月 TYC保田レースレポート

東京の村井です。今年もTyc夏の恒例の保田レースに参戦してきましたので、そのご報告をします。

日程
8月22日(土)
回航 夢の島 → 保田
約35マイル
16時 艇長会議
17時 パーティー
メンバー(敬称略)
サイテッド : 児玉 橋本 谷下田 北田
ブラインド : 湯川 山賀 村井

8月23日(日)
保田レース
約30マイル
保田沖 スタート → 夢の島
スタート信号 6時0分
タイムリミット 15時30分
参加クラス クルージングB
メンバー(敬称略)
サイテッド : 児玉 橋本 谷下田 小柴
ブラインド : 湯川 山賀 村井

レース結果については、既に橋本さんから報告があった通り、私達が参加したクラスは、ノーレースとなってしまいました。このレースは、ロングクルージングと番屋の魚を楽しみに参加している人も多いと思います。
私もレースそのものよりも、そのようなブルーウォーター派の典型の一人として参加してきました。

・・・・・・
8月22日(土)
天候 曇り、時々晴れ
南東の風 1~4m

私達は、夢の島を8時20分に出港し、保田に向かいました。予報では朝夕一時雨とされていましたが、降られることもなく、航海をすることが出来ました。
しかし、風が弱く、結局、終日機帆走となってしまいました。蒸し暑い中、道中、冷たいビールと焼酎で乾杯を重ね、15時に保田に到着。そのときには用意したビールが一本も残っていませんでした。

そして、4時から艇長会議、5時から番屋でパーティが始まり、鯵フライと刺身に舌鼓を打ちました。
しかし、よく食べたのは山賀さんくらいで、後の人達は今年の鯵フライは揚げ立てでなくていつもより美味しくない、食べると飲めなくなると言って、にぎり寿司に手を着けることもなく、専ら飲んでました。

その結果、艇に帰ってきてから、回航疲れに飲み疲れが加わって誰も買い出しに行かずに、寝てしまったのです。
一眠りしてから、温泉に浸かり、2次会を開く人もいなく、皆、朝まで熟睡。
そのような次第で、朝になってから誰も買い出しに行っていなかったことに気が付いたのです。そういう訳で、朝食がない。氷もない。そして、なにより大切なビールが・・・・、ビールがない。
ビールが一本もないという寂しい有様。

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8月23日(日)
天候 曇り
北東の風 1~4m、後 南の風 1~3m

夜間から明け方にかけて、寒冷前線が通過したようで、夜中にかなりの風が吹いたようでした。
私達は保田に宿を取ることが出来ず、全員「あほうどり」で寝たのですが、デッキで寝た人たちが吹いて寒かったと言っていました。そういう訳で、風も南から北に変わり、4時に起床したときは、比較的乾いた風が北東から入っていました。

そして、準備を整えて、5時出港、スタート海面に向かいました。
メインを上げて、艇を進めながら、コース取りについて話し合いました。海上では北東の風が弱く入っていましたが、保安庁の気象情報をチェックすると、5時現在、剣崎で北東の風8m。久里浜方面を眺めると、ヨットがヒールして走っていました。確かに神奈川県よりのコースを取った方が風があるようでした。
しかし、湾の中程は潮の流れが強く、その時間はまだ当分の間干潮に向かう引き潮であったため、艇足と押し戻される力とのバランスで、最終的に有利に働くかどうか疑問。
また、保田レースのルールとして、中ノ瀬の本船航路に入っては行けないことになっています。
そして、沖寄りを進むと、高さが取れません。では、岸よりのコースではどうか?
今の所、風が余りなさそう。そういう訳で、湾の中程でもなく、岸寄りでもない、その中間のコースを取って、タック・タックで進むことに決まりました。

スタート時間が迫り、艇が海面に集まってきました。佐藤さんのベネトー31.7が近づいてきて、「村井さん、頑張って!」、と佐藤さんが叫ぶ声が聞こえて来ました。
いよいよスタート10分前。
しかし、定刻が近づいているにも関わらず、アウターマークが定まらずに動いています。風が弱く、回っていたのです。それでも、ようやくマークの一が定まり、5分前のホーンが鳴りました。それを聞いて、私達も、エンジンを止めて、ジブを上げ、セーリング。そして、定刻通り、6時00分、信号が上がり、スタート。
前の方で、その瞬間怒号が飛び交い、いかにもレースらしい。

スタートして間もなく、レース艇は、微風ながらもすいすい滑っていきました。他の艇は前の方を走り、どんどん遠くなって行きます。私達は、ほぼビリ。
それでも、「あほうどり」は弱い風を捕まえて、朝の静寂と平らな海面を着実に進んでいました。

そして、周りの様子を確認すると、前を行っていた艇団が止まっています。「あほうどり」は、それらの艇に少しづつ近づいて行って追いつきました。ブルーシャンハイ(スワン36)が横向きになって止まっています。
沖の方を見ると、艇がヒールしているものの、それ程進んでいません。「あほうどり」は弱い風をつかみつつそのまま進んでいくかに思えたのですが、こちらもやはり風がなくなって、止まってしまいました。
皆で「早く南が入らないかなあ」とぼやいでいました。時計を見ると、まだ6時半。保安庁の気象情報を確認すると、6時15分現在、剣崎で北東の風6m。大島や観音崎、本牧などの様子を確認すると、全体的に風が落ちていました。
そして、南はまだ入ってきていません。

すると、間もなく、橋本さんの携帯が鳴り、主催者からコース短縮の連絡が入りました。
ゴールは第2海保付近、リミットは12時30分、とのこと。
レース早々コース短縮です。

しばし風待ちとなり、缶チューハイが回ってきました。梅酒が一つ残っていたのを皆で回し飲みしました。買い出しに行っていないので、ビールはありません。
湯川さんが持ってきた焼酎を飲もうということになり、クーラーボックスで冷えていた焼酎を取り出し、飲み始めました。
しかし、同様に買い出しに行っていなかったので、食べられる氷がなく、ロックにすることが出来ません。
そういう訳で、少し注いでは直ぐに瓶をクーラーボックスにしまっては出すというようにして、少しでも冷えた状態で飲めるようにしてました。なんとも香りが良い、焼酎なのにウィスキーのような香りが漂うお酒でした。

走行する内に再び北東の風が入り始め、艇が動き出しました。
しかし、他の艇は、するすると走って行ってしまい、またもや、「あほうどり」は背後に置かれてしまいました。

それでも、「あほうどり」は遅いながらも風をつかんで進んでいました。湾の中程の方が風がありそうでしたが、押し戻されるので、岸よりのコースとの中間を行くようにタックを返しながらこつこつと行きました。周りの様子を見ると、沖寄りを進んでいた艇が一つ、中ノ瀬の航路に入って行ってしまいました。
「あれは違反じゃないの」と言いながら、反対側を見ると、岸寄りに突っ込んで行った艇団が止まってました。
「あほうどり」は、シャバシャバと波音を立てながら進み、それらの艇団を追い越しました。沖よりの艇も、風が落ちてきたせいで、今度は潮に押し戻される力の方が強くなり、その艇をも追い越すかというところまで来ました。
すると、後方から機走でヨットが一艇近づいてきて、「後ろにいるのはブルーシャンハイとオージーです」とこちらに向かってアナウンスしました。「働いていないクルーを2,3人海に落とすと、もっと走るんじゃない」と、さらに言って去って行きました。
主催者の艇が、レースの後方にいる艇の様子を巡回していたのです。
この時点で、8時。富津岬が見えているけど、まだ遠い。岸の方から暴走族が爆音を立てて走って行くのが聞こえて来ます。岸から3キロ程度沖合にいるにも係わらず。

朝飯にしようということになり、ここで谷下田さんの登場。
昨日の昼食でも、谷下田さんお手製のサンドイッチが美味しかった。食材はいずれも谷下田さんこだわりの食材、お取り寄せ。先ずは、ゆで卵を出してくる。卵は有精卵で、放し飼いにされた鶏が生んだもの。半熟で良い加減に茹で上がっていて、味が濃く、舌の上で、とろっと溶けて美味しい。
そして、谷下田さんが再びキャビンに降りて、調理を始めた。ただし、朝食といっても、買い出しに行っていないので、この日の昼食用に用意してあったホットドッグ。
船には食べるものがこれしかない。
谷下田さんが用意して持ってきてくれたもの。ウインナーはプレーンとチョリソー、バジルの3種類。程良く暖かく焼き上がったウ
インナーにぴりっと効いたタマネギの微塵切りが乗って、これも美味しかったです。特にバジルが湯川さんの焼酎の香りとマッチして、なんとも幸福な味わいでした。
今回、このレースにブルーウォーター派を決め込んで参加している私としては、なんとも嬉しい時間でした。

レースは、そのように風が弱い中行われ、コース短縮にはなったものの、私たちのクルージングBクラスは、タイムリミットに間に合った艇が一つもありませんでした。
そのような訳で、クルージングクラスは、結局ノーレース。
「あほうどり」は、タイムリミットから10分遅れでフィニッシュし、それが何番目だったのか分かりません。
南が吹いてくるのをずっと待ちながらの我慢のセーリングだったのですが、南が入ってきたのは、ゴール近くになってからでし
た。私たちはスピンを上げて走ったのですが、リミットに間に合うことが出来ませんでした。
児玉さん、橋本さんが「もうちょっと南が早く入ってきていれば、間に合ったのに」と悔しがっていました。

そのようにして、夢の島に舫ったのは、丁度17時。皆さんお疲れさまでした。
谷下田さん、美味しい食事をありがとうございました。また今度ロングクルージングの際は、よろしくお願いします。
これで、保田レースの報告を終わります。

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以下に橋本さんのメールにあった保田レースの結果報告を貼り付けておきます。


橋本です。

保田レースに参加された皆様お疲れ様でした。
TYCのホームページにレース結果が発表されましたので報告します。

*クルージングクラスB:10艇(あほうどりのクラス)
*クルージングクラスA:8艇
*レースクラスB:12艇(ファースト ワンのクラス)(8位)
*レースクラスA:8艇
計38艇

でした。
クルージングクラスBにおいては、1艇のフィニッシュ出来なかったのでノーレース。
レース距離は短縮となったため、11.7(M)。
トップフィニッシュ艇のタイムは、2:06:57でした。

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