2004年2月1日

文  村井優夫
補足 秋山淳

参加艇
Nクラス 15艇(ルミナスはNクラス)
Oクラス 19艇

参加者(敬称略)
ブラインド 村井(メイン)
サイテッド 秋山(ヘルムス)、石田(ジブ)、安西(バウマン)

ヨットの写真

JBSAの村井です。2004年2月1日(日)に行われた、シーボニアのんびりレースについてレポートします。
この日は、JBSAの将来を決める総会と新年会が開かれた翌日のレースだったこともあって、参加メンバーの中には、朝まで飲んでいた人がいたりして、私を含めて二日酔いと飲み疲れが若干残る中でのレースとなりました。
ですが、私たちは、なかなかの成績を収めることが出来ましたので、その様子を報告します。

●1本目
スタート
Nクラス(のんびりクラス) 10:40
Oクラス(ORCクラス)  10:50
Nクラス、Oクラス共に、ソーセージ・コース2周
マークまでの距離は、片道約1マイル。
風向 北東から東の風
風速 3?4メートル毎秒

この日は、朝から北東から東の風、約3?4メートルの軽風が吹いておりましたが、天気予報では昼過ぎから風が落ちるとの予想になってました。その関係で、第1レースは、Nクラスが先にスタートして、マーク2周となったようです。
10:40、Nクラススタート。
私たちは、コース全体の海面状況から右有利と見て、風上スタートを試みましたが、やや出遅れてラインを通過。すぐに右へ返したところで艇団の中間にいました。これで、今日もルミナスは、いつもの着順10位前後に終わってしまうかなと思いました。
そのときJBSAの今泉さんたちのヴァルキリー(YOKOYAMA-28)は、すでに80メートルくらい先を走っていました。私たちは、ヴァルキリーを捕らえよう、と言いながらルミナスを走らせましたが、その差は一向に縮まらないまま、1上(いちかみ…1回目の風上マーク)を7、8番手で回りました。
そしてスピンを揚げ、ルミナスが得意とするダウンウインドレグに入りましたが、ヴァルキリーとの差は詰まらないまま下マーク回航へのアプローチとなりました。
ちょうどこの頃、10分遅れでスタートしたOクラスの大型レース艇先頭集団が追いついてきて、下マーク付近はNクラス各艇と入り乱れるような状況になってしまいました。私たちより先行して回航したヴァルキリーは、不運にもその密集にはまってしまったようで、大分風下に落とされていました。
その間に私たちは、ヴァルキリーを追い抜き、気がつくと、昨年の年間優勝艇コースオブネーチャー(YAMAHA-30S)が風下前方を走っていました。

私たちは2上(にかみ)に入り、一旦東に振れ落ちた風がまた北東に振れ戻ったところで、ブローラインが右海面にあるのを見つけ、そのまま一気にそのコースへ艇を運びました。
すると、ルミナスがするすると良く走るではないですか。あれよ、あれよという間に先行艇を抜き、いつものんびりで上位に着けているコースオブネーチャーまでをも背後に従え、2度目の上マーク回航アプローチ。そして、朝4時まで飲んでいたとは思えないほどに安西さんが身のこなし軽く、石田さんと阿吽の呼吸の内に、マーク回航しながらスピンを揚げ、ルミナスは最後のダウンウインドレグへ。

フリーになってからも、スタート地点から見て右海面が有利。私たちがクローズで上位にあがった海面ですから、当然フリーでもそちらのコースを取りに行くことにします。案の定レース慣れしているORCクラスの艇も左を進んでいました。
私たちはいい風をつかみ、ルミナスの勢いはそのまま衰えることなく、フィニッシュラインを目指しました。

いよいよフィニッシュまで、数百メートル。見渡す限りでは、私たちはNクラストップ、後続を大きく引き離していました。
これで、ルミナスは、夢のファースト・フィニッシュ間違いなし。そして私たちは、そのままゴール・イン!
本部艇からチェックのブーという合図が鳴り、レース実行委員長の岡田さんが手を振ってくれました。
私たちは、ついにやったファースト・フィニッシュを喜び、「万歳、おめでとう!」と、歓声を上げ、お互いの健闘を称え合いました。

●2本目
スタート
Oクラス 12:00
Nクラス 12:10
風向 北東から東の風
風速 2?4メートル毎秒 (第1レースより、風がやや落ちてました。)

第2レースは、Oクラスがソーセージコースを2周、Nクラスが1周です。コース・距離は、第1レースと同じで、マークの位置は変わりませんでした。
1本目の結果に気を良くしていた私たちは、一層、気合いが入りながらの2本目のスタートとなりました。
そのせいか、ルミナスはジャストスタートを決め、ラインをトップ集団で越えました。
2本目に入っても、右海面の有利は変わらず、私たちはスタートして間もなくタックを返し、右海面にコースを取りました。

ルミナスは、再び上手くブローをつかみ、快走し始めました。
コンパスで、針路80度を保つように心がけ、落ちる風が入って90度を超えるようになるとタックをして、風の振れを読みながら進みました。その結果ルミナスは、常に先行艇から遅れることなく2?3番手のいい位置をキープして走ることが出来ました。

上マークまで、ほぼ3分の2のところに来た時、スターボで長いブローが入り、それに乗って快走したところ、やや左海面に突っ込んだかたちになってしまいました。右の艇団にやられないようにと、ほどほどのところで右に返し、しばらく進んで行ったその時、一時は5?6艇身離していたコースオブネーチャーに遭遇してしまいました。それでもルミナスは、コースオブネーチャーより足が良かったので、ぎりぎり前を交わすことが出来たのですが、お互いの艇が大分接近していたので、私たちは衝突の危険を避けてルミナスを落とし、コースオブネーチャーの後方を回ってタックを返しました。いいブローに乗ったとはいえ、やはり右海面の風の方が角度が良かったようです。

そして、上マークアプローチ。
コースオブネーチャーが、そのまま先行してマークを回航。それに続いて私たちがマークへのアプローチをしているところに、突然左側からエルフィン(YAMAHA-28S)が、水をくれ!と言いながらポートタックで突っ込んで来ました。エルフィンは私たちの後に回る気配もなく、危険回避のためやむなく水を開け、真横でタックしたエルフィンと重なるようにしてマークを回航しました。

最後の風下レグに入って、私たちはジャイブして左にコースを取りたかったのですが、エルフィンが風下側にオーバラップしているため、なかなかジャイブが出来ません。このころから風がさらに落ち、ルミナスとエルフィン、そして前方ほとんど差のないコースオブネーチャーの3艇が、すでに先行しているランカ(WAGSTAFF-30)とオーディン(YAMAHA- 30S)を追っての3位争いとなりました。
3艇ほとんど並んで拮抗しながらの風下航。お互いブローの探し合いになり、上手くつかむとスーッと前に、つかみそこなうとズルッと後にさがってしまいます。このような凌ぎのけづり合いでフィニッシュラインまでバトルが続きました。

結局、ランカがトップでフィニッシュ。2着にオーディン。続いて頭一つ抜け出したコースオブネーチャーが3着に入りました。ルミナスとエルフィンは、ほぼ並んでフィニッシュラインに入りましたが、僅差でエルフィンが先にチェックを受け、残念ながらルミナスは5着でのフィニッシュとなりました。

●結果発表とパーティー
私たちは、この日の成績が良いことが分かっていたので、いつになくパーティーが待ち遠しく感じられました。

パーティーが始まり、ビールの味をいつもより美味しく感じながら談笑しているところに、レース結果を記したリザルトが配られました。
それを見るとルミナスは、1本目着順2着!?。ランカが、私たちより4分ちょっと前に先着していて1着だったのです。

修正では、ルミナスは3位。
ルミナスが9分以上離していたバーバリアン(BW-21)が、レーティングで2位に上がって、修正時間ほんの10秒ほどの差で私たちの上にランクされました。

2本目は、ルミナス着順5着、修正6位。
修正では、ここでもルミナスが7分以上差を付けたバーバリアンが1位に上がり、2位ランカ、3位オーディン。次にエルフィン、コースオブネーチャーが4位、5位と続きました。

結果、2レース合わせてルミナスは、総合3位と上位に入ることが出来ました。

総合1位は、もっぱら見えない敵と恐れられているバーバリアンが、今回も1月に続いて連勝。これではいったいバーバリアンに何分差を着ければ良いのでしょうか?
私たちは、まだまだJ24のポテンシャルを100%出しきれていないのだ、と謙虚に受け止めて、これからも練習を頑張っていくことにします。

だけど、この日のルミナスの成績は、たとえレーティングによる修正順位では負けたといっても、客観的着順としての2着は、気持ちが良い物です。

こののんびりレースの前の晩、新年会の二次会で、レース結果はレーティングか頭(頭脳のこと)かといって、議論が白熱していました。
この日のレースは、J24向きの風が吹いていたことに加え、レース中の判断、タクティクスも良かったことの結果だったように思われます。

レース終了後、秋山さんが、二次会で、日高さんがレースは頭だと、しきりに強調していたことを、思い出したように言ってました。

結局、ファースト・フィニッシュは、「夢のファースト・フィニッシュ」となってしまいましたが、ファースト・フィニッシュを決めたときの味わいを、勘違いながらしばらくの間経験出来て、なんとも爽快な一日となりました。

ヨットの写真