2005年6月12日のんびりレース

文 村井

のんびりレース
2005年6月12日(日曜日)
シーボニア・マリーナ

ソーセージコース 2本 (風上・風下 約1マイル)

風  南西から南 2?3メートル
天候 薄曇り
波高 0.5?1メートル 台風第4号の影響と見られるうねり

参加艇
Nクラス 15艇
Oクラス 16艇

私たちは、Nクラスにルミナス(J24)で参加しました。この日のレースはブイ周りのソーセージ・コースのレースを2本行い、それらの着順にハンディキャップレーティングによる修正順位を出して、その総合成績で各クラスの優勝者が決まります。

ルミナスは、2レースともそこそこのスタートを決めて、そよ風に乗りなかなか良い走りをしたのですが、レースの詰めに課題を残し、着順は15艇中の中盤に終わりました。しかし、レース後のパーティーの時に配られたリザルトを見てびっくり、あっと驚きの結果になっていました。

参加者
サイテッド
ヘルムス 秋山
ジブトリ マイランケ
バウマン 安西

ブラインド
メントリ 村井

使用艇 ルミナス(J24) ジェノア フルメイン

朝のスキッパーズミーティングで、主催者のシーボニアの岡田さんから、風があまりないので、なるべく2レースやりたいが1レースしか出来ないかも知れないというお話がありました。また、カラスとシーホークが今回から新艇で参加するので、面白いレースになると思います、というコメントがありました。

〓第1レース

第1レースは、Nクラス、Oクラス共に、ソーセージコースを2周回ります。先ずNクラスが、10時40分にスタートし、その10分後にOクラスがスタートします。

スタート前、ルミナスをスタートのライン上に乗せ、マークの位置を測ると、240度にあり、その位置はやや風上側有利であるものの、本部艇側、アウター側、どちらもほぼイーブンでした。しかし、ブローラインは左海面を進んだ方があるようでした。そこで、私たちはラインの中央のやや風下よりからスタートすることにしました。

ルミナスは10時40分、スタートのブーという音を聞きながらラインを越えました。同時に本部艇より、リコールありのブーが続けて鳴りました。今のはルミナスがリコールに引っかかったかなあ、否リコールはアウターから出て行ったブルーのやつだ、上側から出て行ったフウタロウじゃないかなあ、と言いながらそのまま走らせました。

ルミナスは、スタート直後3番手、ちょうどルミナス向きの軽風を良く捕らえて、南から入る台風第4号の影響と見られるうねりを越えて、快走しました。その時、風がシフトして180度に振れて行きました。その結果、アウター寄りでスタートして、左海面を取った艇に有利となり、さらに右海面は風が無くなっていました。ですが、ルミナスは走りは良かったものの、上り角度が取れませんでした。バルキリーに合わせて上らせると、ルミナスは艇速を失ってしまうという状態です。そういう訳で、バルキリー(YOKOYAMA-28)やソアリング(FIRST-32S)、その他の艇に上マークを先んじられてしまいましたが、何とか5番手での回航でした。

1上目を回り、ダウンウインドレグに入ったのですが、風がシフトした分、アビームとなっていました。ルミナスはスピンを上げて良く走るも、先行艇との差を詰めることは出来ませんでした。そして、Nクラスの10分後にスタートしたOクラスのカラス(グランドソレーユ40ダッシュ)が私たちをあっという間に抜いて行きました。

ルミナスは、そのようにOクラスの大型艇に追いつかれ抜かれながら、1下を回り、2上を目指しました。2上へは当然片上りとなっていましたが、マークを回ると、風はまたシフトして、ランニングになりました。普段、ルミナスはフリーでは比較的早いはずなのですが、今日はいまいち艇速がありません。後方から足色良くアリエル(First27.7)という名前の艇が迫って来ました。アリエルという艇はこれまでののんびりでは見たことがありません。足色があまりに良く、Oクラスの艇かと思い、フラッグを確認しようとしたのですが、フラッグがセールに隠れて見えません。それで、私たちはおそらくOクラスの艇と考え、押さえずにその艇を先に行かせました。そして、ルミナスの脇を通過して行くアリエールのフラッグを見ると、なんとNクラスでした。失敗したなあと後悔するも、もう間に合いません。ルミナスは、後方から来る艇団に風を遮られて、フレッシュウインドを捕れていなかったのです。
こうして、ルミナスは第1レースを着順6位で、フィニッシュラインを超えました。しかし、本部艇からのブーが聞こえません。これはひょっとするとスタートリコールだったのではないかということが頭を過ぎりました。そして、ルミナスを本部艇に寄せ、リコールはどの艇だったのか岡田さんに尋ねました。すると岡田さんは、リコールはペガサス(T-301)だと教えてくれました。これで、私たちは一安心。

私たちは、第1レースをジャストスタート(それが良かったか悪かったかは紙一重)で切り、左海面を取って、軽風に乗って良い走りをすることが出来ました。高さが取れず、ずるずる落ちてしまうという結果に終わったものの、スタートと海面の取り方はうまくいったタクティクスだったと思います。ルミナスとレーティングが同じということもあり、いつも争っているコース・オブ・ネーチャー(YAMAHA-30S)は、スタート後右海面を取ったことで、風に乗ることが出来ず、ルミナスよりはるかに遅れてフィニッシュしていました。

〓第2レース

風がシフトしてしまったので、第2レースはマークの位置を変えて行われました。第2レースは、先ほどの第1レースとは逆にOクラスが先にスタートして、その10分ごにNクラスがスタートします。また、第2レースでは、Oクラスがソーセージコースを2周するのに対して、Nクラスは1周です。

マークが打ち変えられ、ルミナスをラインに乗せて測ると、マークの位置は180度で、上スタート有利と見られました。そして、12時55分、Oクラスがスタートとなりました。本部艇側に艇が集中したスタートとなり、押し出された艇があったようで、リコール艇ありのホーンが鳴らされていました。

私たちはその様子を見ていて、本部艇側で上スタートすることを避け、今度もアウター側からスタートすることにしました。また、先行して出て行ったOクラスの走りを見ても左海面が有利のようでした。
ルミナスは、先ほどのようなジャストスタートではなかったものの、良いスタートを切ることが出来ました。そして、左海面を進むべくスターボード・タックのまま延ばして行きました。風も第1レースの時よりやや上がったようで、ルミナスは良い走りをしていました。しばらくして、安西さんが落ちる風にシフトしていると声を出しましたが、コンパスを見ると、160度だったので、タックを返さず、そのまま引っ張って行きました。途中ブローが入り、角度を測ると180度だったので、上って行ける風と判断して、さらにスターボードを維持して進みました。それに対して、先行しているマンボウ(FARR3/4)は、タックを刻んで進んで行っていました。

1上に向けて半ばを過ぎた頃、先にスタートしたOクラスのシーホーク(グランドソレーユ40ダッシュ 新艇)が、マークを既に回航して、ダウンウインドレグを快走して行きました。

私たちは左海面を大分つっこんで行って、タックを返してマークアプローチに向かったのですが、そこで、つっこみ過ぎたことが分かりました。ルミナスより遅れていたのに、先にタックを返したバルキリーやフウタロウに追いつかれていたのです。マーク回航では、僅差でそれらの艇に先行されてしまいました。
そして、ダウンウインドになってからも、それらの艇との差は変わらないまま進み、ゴール前、一瞬、押さえられるかなあという場面があったものの、追いつくことが出来ず、ルミナスは着順8位でチェックを受けました。

第2レースも、第1レース同様スタートは良かったものの、その後の展開でのタクティクスに課題が残ったような結果となりました。
秋山さんは、安西さんが落ちる風になっていると言っていた時に、タックを返しておけば良かったと何度も悔やんでいました。

そして、レース後のパーティーが始まり、私たちはバルキリーの今泉さんたちとテーブルを共にして談笑しました。
今泉:Oクラスは、カラスとシーフォークの争いだったね。2艇がファーストホームを分け合ったね。マーク回航でカラスやシーホークの40フィートとバッティングしたくないよねえ。
秋山:バルキリーは上りが良かったね。バルキリーに合わせてルミナスを上らせると止まっちゃうんだよ。
今泉:やっている方も、上りが良いぞって言っていたんだけど、トリムのどこが良くて上りが良かったのか分かってやっていた訳じゃないからねえ。などと話して盛り上がっていました。

私たちは、結果は出なかったけどルミナスの走りは良かったと、レースを振り返って乾杯しました。そして、リザルトがいよいよ主催者から配られました。結果があまり良くないことは分かっていたので、総合7位ぐらいだろうと考えてペーパーを見ると、なんとびっくり!あっと驚きの結果となっているではありませんか。
ルミナスは
第1レース 着順6位 修正5位
第2レース 着順8位 修正1位
総合2位
という結果が記されていたのです。

これは間違いじゃない?だけど、第2レースはそれほどには差がなかったし、修正で1位もあり得るなどと、リザルトを疑いながらも、にんまり笑みを漏らしていました。
そして、シーボニアの岡田さんからレースの講評が始まりました。すると、Nクラスのリザルトは一部修正タイムが間違っていたので、後日正しい結果を発表することにします、とあり、Oクラスの表彰が始まりました。Oクラスの総合1位はシルフィード(FIRST-36.7)、シーホークが2位、カラスは15位でした。カラスはリコールがあったようで、岡田さんは大きく出て行ってしまったので、リコールが分かって帰って来るかと思ったのに、カラスはそのまま行ってしまったと言っていました。そして、Nクラスの表彰が始まり、暫定としてそのリザルトの順位で、ルミナスは2番目に、私がチームを代表してレースコメントをしました。「幻の総合2位となってしまうかも知れませんが、このままであることを願ってます」。

私たちは、ちょっとの間だったけど思わぬ良い思いをさせてもらったね、と言い合ってました。さて、本当の結果はまだ私も分かりません。

私たちはパーティーが終わってから、単独世界一周を果たした71歳のチャレンジャーの船を見に行きました。斉藤実さんの酒呑童子がシーボニアにまだ係留されていたのです。酒呑童子は、クラブハウス前の桟橋に舫われていました。ジブファーラーが2本あり、ファーラーを引くシートも太いものが2本付いていました。50フィートながら乾舷は意外に浅く、1メートルも無いように見えました。安西さんが、艇と桟橋の間の水面に、テレビに出たあのカイワレが落ちていると言ってました。斉藤さんは不在でしたが、航海の安全のご利益をもらおうと酒呑童子のハルを触って帰って来ました。

皆さん、もう6月です。夏です。短パンにTシャツで海に出ましょう。そして、セーリングを楽しみましょう。9月には全日本があります。ティームづくりは進んでいますか?ティーム練習はしていますか?そして、真夏の火花を葉山で散らしましょう!

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