定期練習2005年10月1日

日時  2005年10月1日(土曜日)、集合 冬時間(新木場駅9時30分、夢の島10時)
天候  晴れ南の風 7?8メートル
波   1.00メートル
参加者 10名
使用艇 クラブ艇「あほうどり」
協力艇 松崎氏所有パワーボート

「アホウドリ」組の報告

文 鈴木克己

乗員(敬称略)
(サイテット) 橋本・佐藤恵美・田中淳子(鈴木克己の知人)
(ブラインド) 竹脇・伊藤・鈴木

台風19号の予波か寒冷前線へ吹き込む南のしっかりした風、東京湾には珍しく1メートルほどの波。
11時、もやいを解く。南7メートルの風が我等を迎える。
京葉線の鉄橋をくぐり、進路を南に取り機走を続ける。
行く手を阻むように、いつもより大きな波が向かってくる。
波に押されて艇はピッチングをはじめる。波をたたく音とともにスプレーが顔に激しくかかる。

「ここらでセールを揚げよう」との声で、エンジンをとめると、警報音。この音はなんだ?。船酔いでもなかろうに、エンジンが止まらない!。
併走していたパワーボートの坂本さんに応援を依頼。早速坂本さんが忍者のように身軽に飛び移ってきて調整。
エンジンは止めたものの、動くのだろうか。そうこうしているうちにパワーボートは坂本さんを残してどこかへ消え去ってしまった。坂本さん、済みません。

強い風のせいだろうか、ハリヤードはいつもより力を要した。セールが上がると艇は気持ちよく走りだす。
伊藤さん・竹脇さん・恵美さん・鈴木でシートやティラーを交代で握る。
橋本さんが5度単位でコンパスを読む。振れ幅を見るとプラス50度からマイナス40度、思わず「えッ!、こんなにも!」と我ながら愕然。

帰途は左やや後方からの横波を受けローリングしながら帰る。竹脇さんが東京湾でこのような艇走は珍しいからと、言って交代でティラーを握らせてくれた。
左の尻が浮き上がり、つづいて右尻が持ち上がる。左の尻が下がりはじめると船首の方が高くなる。この動きに合わせてタイミング良く当て舵をして艇を蛇行させないように神経を払うようにすることだね。うぅーむ!宿題ですネ!。

鉄橋の手前でエンジンをかけ、15時40分バースに戻る。
これからエンジンの修理をすると言うので、私たちはお礼を述べて先に帰る。
強風の中でご指導くださった橋本さん、坂本さん、佐藤恵美さんそしてパワーボートを出してくださった松崎さんありがとうございました。
また船の揺れと体の感じ方を解りやすく説明くださった竹脇さんありがとうございました。
始めてクルーザーに乗った田中さん途中で船酔い気味だったようでしたね。感想はいかがでしたか。
盲人の女性セーラーもいますよ。これに懲りずにまたどうぞ。

パワーボート組の報告

文 安達

乗員(敬称略)
(サイテット) 松崎・坂本
(ブラインド) 田口・安達

松崎さん所有の1100cc、90馬力、最高時速50キロ、定員7名、21フィートのパワーボートに乗船、マリーナから10分足らずで東京湾へ、風速約7メートル毎秒、白波も立っており、船底が大きく波に当たり、ボーン!ボーン!ボーンと波に激しくぶつかる。時々スプレーももらい、ブラインドは緊張気味。
それを察したのか坂本さんがポートタック、今度はスターボーと言って、ハンドルを左、右ときる。やっと。我々にも笑顔。

そして、セールのあがった「あほうどり」の近くに行くと、エンジンが止まらないという声が聞こえる。今度は、坂本さんが忍者のように軽業で「あほうどり」に飛び移り、救援。大活躍。
ボートは「あほうどり」が落ち着いたところで、「あほうどり」から離れる。

松崎さんが荒川の下降付近でハンドルを握ってみますかと言われる。田口さんが勇敢にもチャレンジ、徐々にスピードを上げて、快走。今度は安達がハンドルを握る、スピードを徐々に上げ、左に、右へと荒川を上流に上る。時々、暗くなったり、明るくなったりする、それは橋の下を通り過ぎて居る事が分かった。スピードも全速に近い、時速40キロで快走。なんと、小松島の端まで来ているといわれビックリ、そこで、ユーターンをしてマリーナへ戻る。

ブラインド二人にとっては、ボートが激しく波に当たる音、そして顔面を凄いスピードで当たる風の体験はこれからのセーリングにも役に立つことでしょう。
松崎さん、貴重な体験をさせていただき、有難う御座いました。
また、坂本さんにはボートでセーリングのイメージトレーニングをさせていただき、有難う御座いました。
尚、川では船舶免許保有者が同乗し、その指示に従い、免許を所有していなくても操縦が出来るそうです。しかし、スピードもあり、とてもブラインドにとっては危険を生じますので、くれぐれも気をつけましょう。

今日参加された皆さんお疲れ様でした。来年はアメリカでワールドが開かれます。国際舞台を目指して技術に磨きをかけましょう。以上で報告を終ります。