活動報告 2023年5月28日 岩本光弘さん×岩崎一郎さん講演会

東京支部 佐藤です。
以前JBSAに所属されていた岩本さんの講演会(私の地元です)に参加してきました。今後、活動の参考になればと思いメールしました。ご興味のある方のみご覧になってください。

【スピンオフ活動報告】
チャリティ講演会 「激動の時代を生き抜く脳の使い方」
盲目の海洋冒険家 岩本光弘×脳科学者 岩崎一郎
 
●日時:2023年5月28日(日)14時〜(1時間半)
●場所:池上会館(東京都大田区池上一丁目32番8号)視聴覚室
●主催:国際コミュニケーショントレーニング株式会社
●チャリティ先:チャイルドライン(こども命の電話相談室)
●参加者:40名程度

●講演内容1 岩本さん
生涯を振り返ったとき、激動の時代を感じたことは2つ。まず一つ目は、視力を失った16歳の時。もう一つは辛坊治郎さんとヨットで太平洋を横断中クジラと衝突して断念の時。
13歳の時に発症、16歳で目が見えなくなった。当時はまだ熊本に住んでいて、病気になったことに対し母親に白状を勧められたが、多感な時期で受け入れられなかった。「なぜ自分みたいな人間を産んだ」と激怒し白杖を投げ返す。
得意であった野球もうまくいかず、しまいには歯ブラシに歯磨き粉もつけられなくなった。何もできない絶望から自殺を思い立つ。川に飛び込もうと柵に登るが、足に力が入らない。昨日も寝ていなかった。一度寝てから、もう一度飛び込もうと試みる。近くの公園のベンチでひと寝した。夢に亡くなったおじさんが現れた。おじさんは「視力を失ったことには意味がある。チャレンジすること。人に希望を与えること。それがお前の使命だ。」と、教えてくれた。その言葉を信じて自殺することを一旦やめることができた。

ある日歯ブラシに歯磨き粉をつけることができた。チャレンジすることで、それができるようになった。自信がついた。さらにできることを探した。今度は富士山に登ってみた。ガイドさんをつけ、這いつく張りながら、岩にぶつかりながらそれでも登った。富士山に登ると頂上では他の登山客が声をかけてきた。「目が見えないのに登ってきたんですか。すごいですね。勇気をもらいました。」と言ってくれた。もうすでに亡くなっているが、おじさんの言葉を信じて良かった。あの時のおじさんに、ありがとうと感謝している。

2013年6月16日に福島の港から被災者の子供達に勇気を与えるため、辛坊治郎さんとヨットにのり太平洋横断を目指した。台風は近づく6月21日。ドン、ドン、ドン、と3回ヨットを突き上げる音。ヨットの2倍の大きさのクジラが衝突し穴があいた。救命筏に乗り救助を待つ。4mの波と15mの風。救助が来なかったらどうしよう、恐怖から手が震え死を覚悟する。そんな中またおじさんが現れ「まだ生きているじゃないか。先々の恐怖や不安を考えるよりも、今の生きていることに感謝しろ。エオラスに感謝しろ。救命筏に感謝しろ。との言葉。直ちに「生かされていることにありがとう。」と、感謝の気持ちを伝えた。自然と手の震えが止まり希望に満ちてきた。11時間漂流した。奇跡的に自衛隊のUS2に拾われ一命を取り止めた。 
これから自分はどうなってしまうんだろうか。先々の恐怖や不安に怯えるよりも、「今生きている。生かされている。」ことに感謝したい。そして、感謝の輪を広めたい。

●講演会内容2 岩崎先生
「ありがとう」という感謝の気持ちが脳を活性化することが科学的にも明らかになった。実際物事を考える時に10%しか脳の働きはしていない。これを100%に高めようとする時、感謝「ありがとう」ということで脳全体が活性化する。
感謝には2種類あり、一つは恩恵的感謝。例えば物を拾ってくれてありがとう、手伝ってくれてありがとうと言う直接な働きかけ。もう一つは普遍的感謝。当たり前だと思っていたことが当たり前じゃない。できていたこと、もう少し深く掘り下げるとヒントとなるところがある。それもまた気づいて感謝する。感謝は筋肉のようなもの。いきなり感謝はできない。普段からありがとうの言葉を使うことで、普遍的な感謝につながる。 

●考察 佐藤より
今回の講演会では、こどもたち自殺念慮に対して考えること。参加者の多くが親であり関係者である大人。必然的に大人がこどもたちに対して、できることを考えなければならない。 
自殺念慮を考えると、将来の絶望や不安恐怖からなる、内面的に抱え続く膨らんでいくもの。そう考えると、生きていることが苦しい辛くなる。そこで大人たちは何ができるのか。「今生きていているだけで、ありがとう」の声かけで、今を生き抜く力となる。今だけでいい。そこから外に目を向け自分が置かれている環境や人の優しさに触れ、一人ではないことを悟るのではないだろうか。内面に抱えていたことから安心し悩まなくていいんだ、苦しまなくていいんだと解放される。一人の命ではないのだと気づくのではないか。だから命を大切にしなければいけないというメッセージを感じた。 
岩本さんは、過去に絶望や恐怖があった。しかし、現在は元気で生き生きとしいてる。そういう姿を通して生きることの希望を大人に対しても伝えたかったのだと思う。 

追伸、私の考察にしては少しテーマが重すぎてすみません。次回は笑いが取れるように頑張ります。