活動報告 JBSA東京 2023年8月6日 定期活動

活動報告 JBSA東京 2023年8月6日 定期活動

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【活動日】2023年8月6日 日曜日
【参加者】7名(順不同敬称略)
ブラインド:小倉,菊池,佐藤,水田,殿垣内
サイテッド:永井,副田
【使用艇】あほうどり(東京夢の島マリーナ)
【天気】晴れ時々雨
【気温】31℃
【風速】8ノットから14ノット
【航行時間】11時10分出港 14時10分帰港(3時間)
【航行距離】約18キロメートル
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【連絡事項】

● エンジンオイルの交換早めに必要(永井さん)
● ショックコードタイプのリーフタイを作成(永井さん)
● ビミニトップ完成(副田さん)
● BANの新しい会員証を橋本さんから前日にお預かりしていたものを保険証のコピーなどと共に船内保管

● BANの会員情報等(スマホなどにメモしておいてください)
会員艇番号:23509510
会員氏名:日本視覚障害者セーリング協会
船名:あほうどり
有効期限:2024年3月31日
救助専用緊急ダイヤル:
0120-479-499
070-7798-6845
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【活動のようす】

今回はサイテッド会員の参加者が十分とは言えず、前日まで参加者探しに奔走した。外部のかたまで、経験豊富なサイテッドのお知り合いに色々と打診してくださったものの、残念ながらこちらも難しかった。
とはいえ、新しい経験豊富なサイテッドの方々が、JBSAに関与してくださるきっかけにはなったかもしれない。
現状JBSAでは、一部のサイテッド会員の方々に負担がかかっており、それでも活動の実現にご協力いただけていることは感謝の念に耐えない。

今回の定期活動日は、天気予報サービスによると、風速は次第に上がって20ノットを超えるともあったのだが、当日現地では、平均8ノット、最大でも12ノット程度ということだった。

出港前ミーティングで、とにかく安全第一で慎重にいきましょうと確認をしあい、艇長永井さんのプランにより、万全を期するためポンツーンでリーフィングしてからの出港となった。また、若洲を越えたところで、その後のセーリングを行うかどうかの判断をすることとした。

燃料、オイル、バッテリー、エンジン、各種艤装品などの出港前点検をしっかりとおこない、ダブルチェックをして出港。

とにかく、慎重にとお願いしてまわり、出港準備をしているさなか、菊池さんの靴が脱げてまさかの靴落水。ボートフックで右舷より救助した。

機走で若洲を右手に見ながら走っていると、南のほうには土砂降りの雨雲が見える。いずれこちらにもあれがやってくる。予報では雨の可能性もあったため、みな準備はできていたが、暑いのでぎりぎりまでレインウェアを着ずにいたら、冷蔵庫の扉を開けたようにすーっと冷たい風が吹き始めた。

これは橋本さんに何度か教えていただいた、すぐにざーっとくる前触れ。それでも空は明るく青空も見えているのでそのままでいたら、大粒の雨が降り出した。

永井さんは濡れても良いヨットスタイルでばっちりきめており、佐藤さんは海パンをはいていて準備万端。
永井さんが、みんなキャビンに入っていいですよとお優しいが、もちろん皆、雨対応をしたのち戻ってくる。

風はマリーナの掲示通り、4メートル程度で大したことはなかったが、若洲を越えたところで機走のまま西へ回航し、東京ゲートブリッジへ向かう。

今日はこのまま機走しながら観光船でいくか、それとも雨もこの後降るしマリーナへ戻るか迷いながら、ゲートブリッジをくぐったころには雨はやんでいた。

橋をくぐってから、180度ターンをして、ジブセールを出して機帆走に移行。ゲートブリッジを抜けたところでエンジンを停止してジブのみで帆走。

ヘルムスは水田さん、ジブセールトリムは菊池さんと佐藤さん。クォータリー気味で走り、若洲を左手に見ながらランニングで北上。ジブのみのジャイブをしながら、迫る雨雲からひたすら逃げる。

14時10分ごろ無事帰港。
帰着後は、永井さんが、ショックコードでリーフタイを作成してくださったり、そえださんがいよいよ完成のビミニトップをはって、ブラインドができるよう工夫したところを、佐藤さんや水田さんが確認。
私はみんなが取り付け方と片付け方の勉強をしている間、どれぐらい涼しいかをターフの下で体をはって実験。
太陽が当たらず、涼しい風が吹き抜ける快適な空間が実現されていた。

こうした作業や片付けをしている間、小倉さんと菊池さんにはひと足先にマリンセンターに戻っていただき、盲導犬ブリスの引き取りや帰り支度をしておいてもらう。

15時のシャトルバスにぎりぎり間に合うかどうかというところで、バスにちょっと待ってもらおうと私は先に行ったが、なんと14時59分ぐらいに行ってしまったと、いつも掃除をしてくださっているあのおばちゃんに言われた。

16時のシャトルバスで新木場に戻り、最近アフター係をつとめてもらっている佐藤さんが、いつもの焼肉屋「あぶり道場うまいもん」を用意してくださった。

「ひもの屋」も焼肉屋の「うまいもん」も、盲導犬を一旦断られることも以前はあったが、あまりにも何度も行っているため、いまや広いスペースに通してくれるようになった。
これもまた、共生社会の実現を理念とするJBSAの活動の成果と言って良いのではないだろうか。

JBSA創設者竹脇さんが以前、「日本全国どこのマリーナへ行っても、ブラインドが当たり前にヨットに乗れる世界を実現しないといけないんですよ。」と仰っていたが、加えて、日本全国どこの飲み屋でも、当たり前に盲導犬が入れるようになるよう、私たちはせっせとヨットにのり、せっせと飲みに行かねばならない。

報告書作成:殿垣内大介

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東京支部の佐藤です。 報告させていただきます。 今回のテーマは”安全”です。

朝の温度が30度を超える猛暑。 台風が近づきJR東海道線が止まるなど先行きが不安な今日、不吉な予感がします。小倉さん菊池さん、LINEにて悲痛な叫び、夏休みと相まって駅やホームは大混乱の様子です。私も普段の通り、りんかい線大井町駅から乗ろうとしましたが、ナント!「ポイント切り替え故障のため新木場まで運行見合せ」と、構内放送です。改札では客と駅員がもめています。大井町駅地下からすぐ陸上にJR京浜東北線が走っていて乗り換えが楽にできます。有楽町で乗り換え新木場に到着。定刻より15分遅れました。メンバーがもうすでに集まって、何とも言えない涼しい顔で団欒。私や小倉さんのこと心配なのでは??……。待つこと数分、小倉さん到着。お疲れ様です。私は心配していましたよ。全員集合で10時10分発のシャトルバスに乗ります。

マリーナハウスにてミーティング開始。殿垣内さんより「今日は風も強く天気も荒れるらしいので、とにかく安全第一無理をしない。」ということでした。肝に銘じておきます。

私は前回の海水丸かぶりの反省し、今日は水着で挑むことにしました( 水着なのでひょっとすると’ポロリ’があるかもしれません、男性ですけど)。 そして新アイテムの登場!腕時計型コンパスAmazonプライムで購入です。 実際に使えるかお楽しみにしていてください。

Tのバース、あほうどりに到着、乗船しました。やはり停舶のバースが一番暑いようです。さらにキャビン内は 猛暑中の猛暑。私は入ることができなかったのです。デッキにてメインシートカバーやジブシートの整理もやい など準備にまわりました。

とその時、「ちゃっポン!?」と、海面を揺らす音。コックピット菊池さんのハワイで入手した思い出のデッキシューズが脱げて海に落ちたのです。急いで、ボートフックでひろいました。水道で水洗いして、あほうどりの後ろ側のオーニングバーに吊るしてずっと走って乾かしていました。

殿垣内さんから「こういう予期せぬ出来事は重なるものなので、セーリングは事故が起きないように十分気をつけていきましょう。」と、のことでした。気が引き締まります。

機走のティラ ーは永井さん。バウにてウォッチは副田さんです。徐行して沖に向かいます。陸橋くぐり東京湾の開けたところで周りを見渡すと、あほうどりを中心に半径2km四方入道雲軍が円を描くように取り巻いています。あほうどりの真上だけ晴天なのです。あまり東京湾でも見ない光景です。ルネサンスの絵画のように幻想的で 明暗がはっきりしています。黒い入道雲の下は大雨が 降っているようです。風速は4m/s。南西からの風、コンパスの情報が生きております。副田さんからは「まあまあ、あってるみたいですね。」とのこと。安全なポイントを探し、一度停舶。風を読みます。台風の影響からか風は乱れ多方向から吹いてきています。引き返すことも 考慮し、若洲沖を目指し進みました。

若洲沖、間もなく大雨。ティラーとウォッチをサイテッドにお願いしキャビンの中へ避難。雨は10分ほどでやめました。当然私は水着着用であったので雨はコックピットで平気でした。とにかく滑らないように デッキに戻ります。

比較的風が落ち着き安定した西側を目指しました。西側のルートはグリムス以来です。ゲートブリッジ (恐竜橋)をくぐります。橋のたもとには釣り人、その先には数隻の本船。いつにない光景で気分は上がります。くぐり抜けも依然と雨雲が続いてます。右舷には都会のビル群も見えてきました。

天気も風も落ち着いてきました。いよいよセーリング開始 です。リーフィングのワンポンの予定でしたが、安全を考慮しジブセールの機帆走で始まります。

少し開けたところでエンジンを止めてジブセールだけでセーリング。速度は2.5ノット。ジブセールの実力を見せつけられた感じです。ティラー操作は水田さん。クローズとは言え難しい操作になります。これは私だけ感じたかもしれませんが メインセールよりもピッチングが少ない気がします。臨機応変さすがあほうどりでございます。 めっちゃ楽しいです。

私はミドルでウェイトの役割。そしてジブシートの扱いを殿垣内さんに教えていただきました 。今までハムスターが餌を食べるように両手を小刻みで早く引いていました。それでは効率が悪いと、手元から耳の後ろまでシートを大きく引いていくアドバイスを受けました。ハムスターの癖を直していきたいです。ありがとうございます。

お台場と辰巳の風景が見えてきました。今日はこの辺りで折り返します。無理はしません。回航しゲートブリッジを目指します。コンパスは北を指しています。北の荒川の河口を目指します。依然として雨雲も追いかけています。 風も乱れていますので、ファーラーでジブセールを巻き取り、今日はここで終了です。不吉な予感を払拭するように安全に終えることができました。ありがとうございました。

バースに戻り、雨がポツリポツリと降ってきました。急いで片付けます。小倉さんと菊池さんはハウスで待機です。

後片付けを進めてるところ、副田さんからお声がかかりました。ナント!ナント! ビミニトップ初披露でございます。海の色と同じ濃い藍色のトップ。そしてブラインドでも装着しやすいベルクロタイプ。滑らかで張りもあります。ちょうどその時 太陽が顔を出しました。暑さのあまりビミニトップの下に潜り込んだところ、まさに快適!快適そのもので めちゃめちゃ贅沢な清涼感です。これでバースにいる時も暑さをしのげます。本当に副田さんありがとうございます。大切に使わせていただきます。

今回のセーリングを振り返ると、天候の悪さや風の不安定なところ、そして数々のありえない出来事も乗り越えて無理なく安全にできました。一人一人が注意して無理はしなかったこと。そして安全をご指導してくださった 東京支部の皆様ありがとうございました。感謝しています。今後ともご指導の程よろしくお願いします。
追伸、おかげ様で納涼会多数ご参加ありがとうございました。 若干名空きがございます。ご都合の良い方は連絡ください。お待ちしています。