活動報告 JBSA東京 2023年8月27日 任意活動レース練習会

活動報告 JBSA東京 2023年8月27日 任意活動レース練習会

—————————–
【活動日】2023年8月27日 日曜日
【参加者】7名(順不同敬称略)
 ブラインド:小倉,水田,殿垣内
サイテッド:堀江,児玉,谷下田,副田
納涼会から参加:佐藤,内田
【使用艇】あほうどり(東京夢の島マリーナ)
【天気】曇り時々雨
【気温】30℃
【風速】2ノットから16ノット
【航行時間】10時07分出港 14時25分帰港(4時間18分)
【航行距離】約28.22キロメートル
——————————
【連絡事項】
● 帰港後ポリタンクから燃料補給
● ポリタン残量わずかにつき次回給油
● 前回荒木さんからいただいた交換用ブロックはウインチハンドルなどをしまう場所に保管中
 (1)ブームエンドに二つついているブロックのうちラチェット機能がないほうをこのブロックと交換
 (2)ブームバングのブロックがまわらなくなっているためブームエンドからはずしたブロックと交換
● 上記ブロック交換作業を次回以降に実施
——————————

【活動のようす】

タック前の速度を大声でコールする。「現在4.2ノット!」
すかさず堀江さんのゴーサインと共に、ヘルムスの小倉さんが「タックします」といって舵を切り、あほうどりは回頭しはじめる。

「1秒、2秒、3、4、5秒、2.9ノット!、6、7、8、9、10秒、4.5ノットに回復!」
GPS速度メーターをスクリーンリーダーで聞き、私がカウントしながら速度を読み上げる。

最初は、タック前の速度を回復するまで、18秒から30秒かかっていたが、繰り返し練習するうちに、みなの息もあい始め、10秒から13秒程度でできるようになっていった。

ルミナス練習でも、たまにリアルタイム計測はしてきた。安西さんの「はい、メイン1センチ出し」のアドバイスに従うと、簡単に1ノットから1.5ノット速度アップすることがわかったり、あるいは自分でセールセットを変更して変化を確認したりすることにも使ったことがある。
しかし今回のように、全員で情報を共有しながら、まるでプロチームのように活用したのは初めて。

あほうどりの特性も見えてきた。例えば、スターボードタックで走るほうが、ポートタックで走るより、平均1から1.5ノット速い。尤もこれは、特性というより、マストがまっすぐたっていない可能性があるとのことで、サイドステイなどの調整が必要なことがわかった。

ダウンウィンドウでは、観音にして走る方が0.5ノット平均で速いこともわかった。やはり、TYCレースに参加するときにはスピンを利用できるよう、いずれは練習をしていきたいと思った。

今回は微風・弱風の予報だったため、小倉さんが練習前に立てた目標は、微風環境下で艇速を維持することと、タックやジャイブで艇速をできるだけ落とさないことという2点だった。

実際に海に出てみると、平均して風速は8ノット程度はあり、雨雲の下に入ると16ノットは吹いていた。微風から中程度の風速まで、ITを活用して、小倉さんの練習プログラムを十分に皆、実施できたと思う。

私は堀江さんとご一緒させていただいたのは、JBSAに入ってこれで3回目。
1回目は、何年も前のことだが、ニット帽をかぶった、すごく細かくセールの形についてご指導されるかたという印象で、当時の私には、まったくもって勿体無いレッスンだった。

2回目は今年、雨がざあざあと降る中、ランニング時の観音でのジブコントロールを学んで、実は結構驚いた。その時の報告書に詳細を記したか忘れてしまったが、とにかくスピンなみにジブシートを頻繁に後方でコントロールする。ジブシートでセールの具合がある程度伝わるので、これはブラインドにも向いているなと思った。

そして3回目の今回は、メインを担当することがほとんどの私としては、これまでにないほどのメインシートとトラベラーの細かい調整方法を教わり驚いた。
メインシートで何を調整し、トラベラーで何を調整し、そしてブームをどこまで、どのようなタイミングと手順で持ってくるかなどを学んだ。

もちろんこれは、他の先生からも何度も教えていただいてきたが、トラベラーの調整タイミングについては、どの先生よりも、ずいぶん後でおこなうことにも驚いた。

しかし、強風の時や、ルミナスのトラベラーだと、こうした微調整は非常に握力と腕力が要求されるので、容易なことではないと思う。

また、ジブカーの位置をかなり頻繁に調整することで、ジブのリーチの開き具合の調整をされていたことも印象的だった。これには谷下田さんが多大なご関心をよせていらして、熱心に質問をされ、感服されていた。

今回のレース練習会は、先輩がたの長年の経験と豊富な知識、客観的なデータ、流体力学を意識した科学的なセーリング、そしてそこにクルーの魅力的、個性的な人間性が加わって実現された、素晴らしい活動となった。

——————–

さて、ここからが本番の人も多いかもしれないアフターセーリング。
今回は、佐藤さんが主催してくれた、マリーナのオーナーズルームでの納涼会と、この練習会の日程と時間がうまくあったため、練習組はそのまま佐藤さんの納涼会に出席することができた。

堀江さんが、「練習には来ないで納涼会にはくるひとがいるの?東京らしくていいね」と帰港時に仰っていた。「いいね」とは仰っていなかったかもしれない…..。

佐藤さんが速い段階から、段取り良く周到に準備をしてくださっていて、なんと、納涼会用のビールは、1週間前にはマリーナで預かっていてもらってあった。

小倉さんにはチーズケーキの制作を依頼し、菊池さんには八丈島の焼酎を依頼し、私にはウイスキーと人数分のピザを調達するよう逃げられない圧力をおかけになり、そえださんには日本酒を事前に依頼。ご自身も、ビールやその他のお酒、大量のおつまみなどを調達されていて、佐藤さんの準備力に驚いた。

いざ、乾杯というときになって堀江さんが、「これは何の集まりなの?」と素朴な疑問。ただの納涼会ですと、とにかくお酒を飲める口実はできていた。

この報告書を書いている今、実は、26日東海支部の森崎さんの報告書と、27日神奈川支部の猿渡さんの報告書を私はすでに読んでいて、どちらも真面目に落水者救助訓練などに取り組まれていたことを知っており、この納涼会のことは伏せようかとおもった。みんなが落水者救助訓練をしているときに、東京は酒に溺れていると、またうわさされかねない。

でもみなさん、ちゃんと前半部分を読んでいただけましたよね?セーリング中はお酒飲んでませんよ。終わってからです。いや、船上でもプシュッという音が聞こえたかもしれませんが、そこはよく見えませんでした。

とにかく、児玉さんは天ぷらの名店からお土産を、そえださんはほたての燻製を、小倉さんはチーズケーキのほかに美味しい鶏を作ってきてくださり、ピザは注文せずとも十分な量で、あまったおつまみを、佐藤さんはオーナーズルームにいた他の利用者に配っていました。
秋山さんに教えていただいて、最近はまっているワイルドターキーを私は持って行きましたが、あまりは水田さんが、すっと持って帰られました。綺麗な白い箱入りのお酒だったのですが、箱はいらないと捨てていかれました。(この表現は私の文章手法であって、本当の水田さんはとてもお優しい常識的なジェントルマンであることを書き添えておきます)

堀江さんに関して最後に特筆すべきことをひとつ。ハイボールを作られるのがとても上手です。こんな美味しいブレンド具合は初めてで、大先輩に対して失礼にも、何回ももう一杯作ってくださいと作らせてしまいました。

とにかく、堀江さんのセールトレーニングに、佐藤さんの納涼会にと、とても楽しい1日でした。そして今回の活動を支えてくださった児玉さん、谷下田さん、そえださんには大変感謝しております。
また、レースや練習会を積極的に実現してくださっている小倉さん、ありがとうございます。

報告書作成:殿垣内大介