エスクワイヤー・ディンギーマッチレース2003

文 村井優夫

6月15日にシーボニアで行われたエスクワイヤー・ディンギーマッチレースに参加してきましたので、そのレポートをします。

エスクワイヤーは、皆さんご存知の通り、北村さんのご尽力により、オーナーの高木先生と大久保先生からJBSAの技術向上のためにお借りしているディンギータイプの6メートルキールボートです。今回、私たちが参加したのは、そのエスクワイヤーを使って、シーボニアヨットクラブ(SYC)の小型ヨット部会が主催となって、年2回(春・秋)行っているヨットレースです。これに北村さんより、お誘いがあり、私、村井と秋山さん、安西さんの三人で出場してきました。

レース前、先週の6月8日ののんびりのときに、マリンルームで北村さんにお会いしたので、マッチレースがどこで行われるのか尋ねたのですが、そのとき北村さんが、「この前の海域で行うんですよ。湾の外ではスタートで決まってしまうので・・。やっている人には気の毒なのですが、この前だと、風が安定しないので、先に走っていた船が止まってしまったり、後から来た船が追い越したりして、ここから見ていて面白いんですよ。」と、おっしゃっていましたが、私たちのレース結果は、その通りになってしまいました。

当日の天候は、曇り。私たちが、三崎口に朝8時半に集合したときは、前日からの雨がまだ少し残っていたのですが、シーボニアに入ったころには、上がっていました。風は、1?3メートル。とはいっても、レース海域は、前述のように不安定なところなので、風が吹いたり止んだり、強くなったり、弱くなったり、また、風向きが突然変わったり、相変わらず、トリッキーな風が吹いていました。

参加は、全6チーム。3人1組で1チーム。コースは、シーボニアのハーバー前の海域で、300メートルぐらいのソーセージ。レースは、6チームが3チームづつ、A、Bの2グループに分かれて、先ず、グループごとに総当たり戦で予選。そして、各グループの勝者のマッチレースで、優勝が決します。
私たちは、じゃんけんの結果、Aグループになり、ジブシート・トリマー 安西、メインシート・トリマー 秋山(敬称略)、ティラー 村井で、レースをしました。

1回戦目

私たちは、スタート良く、相手の艇に先行して、ラインを通過。下マークを回る頃には、後続を100メートル以上引き離していたので、これは楽勝かと思いました。そして、下マークを回航し、タックして、ゴールまで、一本と、私たちは艇を走らせました。ところが、風が途中で変わり、相手の艇が勢いを得て、追い上げてきました。その内、相手に大分追いつかれてしまったので、私たちは、再度、タックして、逃げ切ろうと試みたのですが、そのときは既に遅く、結局、ゴール前で、刺しきられてしまいました。

私たちが悔しみながら、本部船に帰ってくると、待機していた方々から、「惜しかったですねえ!マッチレース初戦から良いレースを見せてくれましたねえ。これだから面白いんですよ。」と声が掛かりました。
私たちのディンギーマッチレース初戦は、この海域特有の風にやられてしまいました。

2回戦目

私たちは、今度も、スタート直前の操船良く、良いタイミングでラインに向かうことが出来ました。そして、私たちは絶好のスタートを切るべく、秒読みしながら、相手の艇に先行して、艇を運んでました。

20・19・18・・・。
艇は風を掴み、程良くヒールして、これぞとないくらいにスピードに乗って、正にスタートラインを越えようと、走り、スタートラインの本部艇が近づき、見物艇やジュリーになっているゴムボートからの歓声が私の耳にも聴こえてきました。

10・9・8・・・。
いよいよ、ラインを超えようとしたとき、秋山さん、安西さん、どちらともなく、「これは早すぎたかな?」

5・4・3・2・1・・・。
私たちは、フライングしてしまったと思い、アウターマークを回り込んで360°回転。回り切ったとき、相手の艇が私たちの直前を抜いて通り過ぎて行きました。
そして、私たちは、艇が速度を再度得る間に、相手に大きく出遅れてしまいました。また、恨めしいことに私たちの1回戦目のときのようなトリッキーな風が吹いて、相手が失速してしまうこともなく、私たちは完敗してしまいました。

その結果、2敗。

そういう訳で、私たちががっくりしながら本部艇に戻ってくると、JBSAにエスクワイヤーを貸してくださっているオーナーでありこの大会の本部委員長でもある高木先生が、「どうして、良いスタートを切っていたのに帰って来ちゃったの?ジャストスタートだったから、OK!って言ったのに。」
それを聞いて、私たちは、大変落胆してしまいました。てっきり、スタートをフライングしてしまったと思ってました。

全レース結果は、A、Bグループを通じて、2敗したのは私たちのチームだけ。Aグループは、2勝したチームが1、1勝1敗が1。Bグループは、3チームとも1勝1敗だったので、じゃんけんとなりました。その勝者と、Aグループの2勝したチームとで、決勝戦が行われ、優勝は、Bグループのじゃんけんで勝ち進んだチームがなりました。

初参加にも関わらず、よもやすると、2戦とも行けたかなというレースだったのですが、残念なことに成績はどん尻になってしまいました。それでも、楽しいマッチレースだったので、又機会がありましたら是非参加してみたいと思います。

最後に、マッチレースにお声を掛けていただいた北村さん、エスクワイヤーのオーナーの高木先生、大久保先生、そして、SYC小型ヨット部会の皆様、どうもありがとうございました。今回のレースの反省点を生かして、次に役立てたいと思いますので、これからも、どうぞよろしくお願いします。